映画「シン・ウルトラマン」を見て

iU 2-D 秋山悠

iU のサポート企業の一つである円谷プロダクション様より、劇場鑑賞チケットをいただい
た。私は 5 月 27 日、渋谷の劇場で「シン・ウルトラマン」を見た。
私は禍威獣やウルトラマンの洗練されたデザインや、大迫力の戦闘シーンに圧倒された。
しかし、それ以上にこの映画に込められたメッセ―ジに非常に感動した。
この映画には、宇宙から地球にやってくる様々な外星人が登場する。彼らはそれぞれの方
法で、地球や人間について知ろうとする。そして、それぞれに人間について理解し、それぞ
れの視点から人間に接しようと試みる。ある外星人は人間を滅ぼそうとしたり、ある外星人
は人間を資源として活用しようとしたり、またある外星人は人間を守ろうとしたりする。彼
らの行動の違いは、彼らがどの様に人間を理解しているかの違いに起因していた。私は、そ
の理解はどれも正しく、そしてどれも完全ではないと感じた。
外星人達の理解と行動の違いから私は「私達は自分以外の存在に対して完全に理解する
ことはできない」というメッセージを受け取った。私は日々接する人々や、物や、他の生き
物に対して、「知っている」という感覚を持って生活してきた。しかし、この映画を観て、
私の理解は一面的なもので、人も物も生き物も、私がまだ知らない側面を沢山持っているの
だと気付いた。そして、なによりも私がこの映画から学んだことは自分以外の存在に対して
理解し、歩み寄ろうとする姿勢だ。私達は相手の事を完全に理解することは出来ない。だか
らこそ相手をもっと理解したいと望み、理解しようと歩み寄ることが必要である。そうして
相手との関係を築いていくことがどれだけ素晴らしいことかをこの映画から学んだ。
私は渋谷の劇場で「シン・ウルトラマン」を見た。映画の鑑賞後、劇場から渋谷の駅まで
夜の街を一人で歩いた。そこには沢山の人々が往来していた。人込みの中を一人で歩きなが
ら、人込みの中の人達にも皆、私の知らない生活や人生があるのだと感じ、世界がどれ程広
いのかを実感した。そして、せめてこの広い世界の中で私が出会う数少ない人や物に対して
は少しでも理解しようと歩み寄り、共に生きていきたいと感じた。