「シン・ウルトラマン」感想と考察

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蛭川巧都

 iUのサポート企業の一つである円谷プロダクション様より、映画「シン・ウルトラマン」のチケットを頂いた。楽しみにしながら、5月29日USシネマちはら台劇場にて観た。ウルトラマンに馴染みがない私でも、迫力満点の映像に感動した。

 映画には多数の怪獣や異星人が登場した。そのどれもが造形は細かく、かつ鮮明で、映像作品として洗練されていた。それぞれの怪獣や異星人の予備知識が薄い私なりに、「カッコいいな」「なんだか怖いな」と思いを馳せ、気付いたら映画にのめりこんでいた。シン・ウルトラマンには人々を怪獣ワールドに引き込む力があると感じる。

 実は、ウルトラマン世代ど真ん中の父と一緒に映画を観た。父は大変感動して、初期のウルトラマンの話を沢山してくれた。どんな怪獣が出て、どんなストーリーで、どこが面白かったのかなど詳細に話していた。父はシン・ウルトラマンによって当時の映像を思い出し、ウルトラマンに夢中になっていた幼少期を懐かしむ様子だった。私は父のその姿にとても嬉しくなった。

 さらに、シン・ウルトラマンは人々を感動させるだけでなく、実社会に疑問を投げかけている。人類の活動によって汚れていく地球、戦争や核の問題を、怪獣として地球の嘆きを具現化し、異星人は愚かな地球人に痛烈な批判をする。そこにはシン・ウルトラマンを単純なエンタメ作品に留まらせない魅力があり、人々に実社会の問題点を考えさせるきっかけを作っている。実はエンターテイメントとは、ただ人々を楽しませて終わるのではなく、人々を楽しませながらメッセージを伝えることであり、社会的な意味を帯びてこそ価値があるものではなかろうか。

 この度は円谷プロダクション様よりシン・ウルトラマンを観せて頂く機会を頂き、本当にありがたく感じる。映画を大変楽しませて頂いたのと同時に、エンターテイメントの制作に関わりたい身として、多くの学びを得た。シン・ウルトラマンは多様な人を感動させるエンターテイメント作品である。